こんにちは。サービス事務の安髙です(*^^)v

いよいよ今週末から待ちに待ったGWが始まりますね!10連休の方もいらっしゃるようですが、ご予定はもうお決まりですか?(^O^)

つたえファクトリーは通常通りの営業日(月曜定休)となり、4/30(火)~5/5(日)の期間は半分の人数で営業させて頂きます。GW期間中は各省庁やメーカー、部品業者様等も止まってしまうため、対応出来る作業に限りがありますので、ご来店の際にはお電話いただけると幸いです♪

それでは、作業の紹介に入っていきましょう♪

今回ご紹介するのは、E46 M3 SMGの クラッチ交換です!SMGとは、「シーケンシャル・マニュアル・ギアボックス」の略で、BMWが採用している2ペダル式MTのことです。クラッチペダルは付いていないのですが、ミッション自体は機械式のMTそのものなんですね\(◎o◎)/!

「クラッチを切り→シフトチェンジ→クラッチを繋ぐ」という操作を油圧で制御するもので、レースの世界から生まれ、人間が行うシフトチェンジよりも短い時間でシフトチェンジが出来るため、走りを追求したM3に採用されています。

初めて採用されたのはE36 M3で、当初は変速のショックが大きいという問題点があったそうですが、E46 M3にはさらに進化したSMGⅡというミッションが載せられ、ステアリングから手を離すことなくシフトチェンジが可能なパドルシフトも追加されました(*^^)v 初めて運転した時は「なんだこれは!?」という印象でしたが、SMGはシフトタイミングも任意で調整できる為、ATとMTの良いとこ取り♪とも言えます。性能はMTと同等でダイレクト感があり、走りの性能を追求される方にはもってこい。更に家庭の事情でMT車を選べない方にもオススメの一台です(●^o^●)

今回交換するのは、クラッチ3点セット(カバー、ディスク、レリーズベアリング)とフライホイールです!フライホイールには、ダブルマスフライホイールという物が使われていて、振動やノイズの低減、ミッションの負担軽減などのメリットがあり、特に低回転での騒音低減効果もある事から、高級車にも多く採用されています(^^)

写真で気が付いていただける方もいそうですが、このSMGのクラッチディスクには衝撃吸収用のトーションスプリングが無いんです。

その為、フライホイールがクラッチミート時の衝撃を吸収したり、トルク変動の緩和をする仕組みになっています。

このフライホイールをエンジン側とミッション側の2枚に分割して、間にダンパー機能を持たせる事により、ディスク内にあるトーションスプリングより大きなスプリングで衝撃を吸収できます。その為、回転差を吸収しスムーズなクラッチミートを実現出来るのだそうですφ(..)メモメモ

う~ン。頭がスポンジ(これ以上吸収できない)(´;ω;`)

気を取り直して早速、作業を見ていきましょう。いきなりですが、ミッションが外れました!まずはクラッチ廻りの部品の状態から見ていきたいと思います。

こちらは、レリーズフォークの支点のピボットと、レリーズフォークの固定用スプリングです。

なんと、スプリングが折れて破片がMT内に落ちていました\(◎o◎)/!

これはとてもレアなケースなんだそう…。そして、写真ではスプリングに何か付いています。これは、レリーズフォークの支点となっている「ピボット」という部品で、これも頭が砕けてしまっています。ひょっとするとこのピボットの影響でスプリングが折れてしまったのかもしれません。

これは、もう無いと組めないので、急遽部品注文です。

これが新品のレリーズフォーク用ピボットです。これが破損すると、最悪クラッチが切れなくなってしまうんだそうです(>_<)

作業をしていた石井さんも、ピボットの摩耗は想定していたそうですが、「まさかこんな状態になっていたとは(゜o゜)!」と驚いていました。こんな小さな部品が重大な役割を担っているんですね\(◎o◎)/!走行不能になる前に交換出来て本当に良かったです(*_*)

変わって、こちらはレリーズベアリング。クラッチカバーの中心を押して、クラッチを切ったり繋いだりしてくれています。

よくMT車でクラッチペダルを踏んだ時にキーキー音が鳴っている車は、このレリーズベアリングのベアリング部が音を出している場合が多いのだそうです(゜-゜)

ピボットを付け、レリーズフォークとレリーズベアリングを組み付けました。

ミッション側はこれでおしまい。

取り外したクラッチは、ディスクの摩耗も激しく、使用限度を越えていました((+_+)) なかなか見る事が出来ない部分ですが、トラブルが起きる前に交換出来てよかったです(*^_^*)

フライホイールは遊びが大きくなっていました(゜o゜) 内部のダンパーが弱くなっているのかもしれません。高価な部品ですが、せっかくミッションを外しているので、トラブルが出る前にこちらも交換しておくのがお勧めです。

フライホイールを外したエンジン側です。真ん中に見えるのがクランクシャフトの後ろ側です。オイル漏れがある場合は、クランクシャフトのリアシールを交換しなければなりません。今回は状態も良く、オイル漏れもありませんでした(^^)

中央の丸い穴(クランクシャフト)には、パイロットベアリングという部品をはめ込みます。(写真は外した後のものです。)

こちらがパイロットベアリングです。MTのインプットシャフトの先端が刺さるようになっています。AT車には付いていない部品で、MT車特有の部品です(*^^)vこれも異音やフリクションロスによるシフトチェンジの妨げになる事があります。安い部品ですから当然一緒に交換しちゃいます。

先程のエンジン側に、パイロットベアリング、フライホイール、クラッチディスク、クラッチカバーを組み付けました。あとはミッションを取り付け、外した部品をどんどん組み付けていきます(^^♪

最後に試運転を行い異常がないか最終チェックをし、作業終了です♪

今回はクラッチからの異音がするとのご依頼で作業となりましたが、通常クラッチが摩耗してくると、発進時や変速時にジャダー(ハンドルが激しく振動する)が出ます。

SMGは普通のMTよりも変速機構への負担が大きいため、クラッチや油圧系統のトラブルには特に注意が必要なんだそうです。

いつもの事ですが、定期的に油脂類を交換したり、こまめに愛車の健康状態をチェックすることが大切ですね(^_-)-☆

そういえば、作業中なぜかバッテリーにはずっとボッシュの充電器が繋がれていました。クラッチ交換で??なんで充電器(゜゜)???

実はSMGのクラッチ交換や、SMGオイルを抜いた場合などは、専用のサービステスターを使い、SMGユニットの学習記録の保護や、SMGオイルのエア抜き作業で電動ポンプを回す必要があります。その際にはエンジンをかけずにイグニッションオン状態(電気を流す)で行う為、バッテリーが上がらないように定流充電器を繋ぎ、安定した電気を送り続ける必要があるのだそうです。

長時間かかるコーディング作業の時などにも必須アイテムらしいです。。。φ(..)メモメモ

これも余談になりますが、先日HPでもご紹介しましたが、大内工場長がE61からF31に乗り換えました!新しい研究材料を手に入れた工場長が仕事終わりに作業をすると言うので、私と阿部さんも便乗して仲良く並んでそれぞれの愛車の作業をしちゃいました\(^o^)/ 定休日前で疲れているはずなのに、愛車のこととなると時間も疲れも忘れてしまうんですよね♪うちの工場スタッフはみんな本当に車が好きなんだなぁと実感しました(*^_^*)

あっ私もか、、、、(*^_^*)

大内工場長の新しい愛車であるこちらのF31は、なんとつたえファクトリースタッフ車両初のディーゼル!装備も充実していて研究のしがいがあり、工場長も楽しそうでした♪この車両からも様々な情報をお伝えしていきたいと思いますので、楽しみにしていて下さいね(*^^)v

 

それでは、また次回お会いしましょう(^◇^)